膝が痛い、腫れ、変形(1週間以上前から)
結果をもとに適切な病院・診療所を提案します
膝が痛い、腫れ、変形(1週間以上前から)の基礎知識
概要
膝の痛み、腫れ、変形は、膝の骨や靭帯などが傷つくことによって起こります。症状があってもさほどひどくはない状態が続いているようであれば、急いで受診しなければならない病気の可能性は低いです。具体的な原因として、加齢による変化や、全身の病気(関節リウマチや線維筋痛症など)などが考えられます。
膝の症状が長引けば生活の質が下がってしまうので、症状を和らげる治療は受けたほうが望ましいです。
膝の病気を専門に診てくれるのは整形外科です。近くに整形外科がなければ内科でも構いませんので相談してみてください。
原因とメカニズム
膝には骨や筋肉、靭帯、半月板、軟骨などさまざまな構造物があります。これらの構造物に傷がつくと炎症が起こり、痛み、腫れ、変形などが現れます。膝の構成物が傷つく原因には、膝の使いすぎ、けが、感染症、自己免疫の異常などがあります。
考えられる病気
膝の痛みや腫れを起こす主な病気として次のようなものが考えられます。
変形性膝関節症
膝の骨を覆う軟骨がすり減る病気です。軟骨が少なくなった影響で、骨と骨がぶつかり合うようになり、膝の腫れや痛みを起こします。年齢を重ねるにつれて、発症する人が増えます。
ロコモティブシンドローム
運動器(筋肉・骨・関節・軟骨・椎間板など)の障害によって移動能力が低下した状態を指します。膝はロコモティブシンドロームの原因になりやすい部位です。ロコモティブシンドロームになると、移動能力が落ちるだけではなく、筋肉や関節に痛みを感じることがあり、膝痛もよくある症状の一つです。
坐骨神経痛
坐骨神経は背骨から出て足に向かって伸びている神経です。坐骨神経が圧迫を受けたり傷付いたりすると、腰や足に痛みを感じるようになります。この状態を坐骨神経痛といいます。
関節リウマチ
免疫の異常により関節の腫れや痛みが起こる病気です。手や手首の関節を中心に症状が現れますが、膝関節にも症状が出ることがあります。左右対称に現れる症状が特徴です。
線維筋痛症
全身に痛みが持続する病気です。詳しいメカニズムは分かってはいません。膝関節にも痛みがでることがあります。全身の痛みの他では、不眠やしびれ、口の渇きなどの症状もあります。
化膿性関節炎
細菌が関節の中に入り込んで炎症を起こす病気です。痛みや腫れ、赤みといった症状が現れます。膝に人工物を埋め込んでいる人や、糖尿病の人、免疫抑制薬を飲んでいる人、膝に注射をした人などに起こりやすいことが知られています。
怖い病気
化膿性関節炎が進行すると敗血症という重い状態になるので、すみやかな対応が必要です。化膿性関節炎の可能性がある人はなるべく早く医療機関で診てもらってください。
受診の目安
様子を見ても症状がよくならなかったり、症状によって日常生活に支障が出ている人は受診を検討してください。
診療科
膝の痛みの原因は筋肉や骨、靭帯であることが多いので整形外科が相談先として適しています。近くに整形外科がない人は内科を受診してください。内科では全身の病気を調べることができますし、痛み止めなどを処方してもらえます。また、必要に応じて整形外科を紹介してもらえます。
検査
膝の痛みや腫れなどの症状がある人には次のような診察や検査が行われます。
診察
お医者さんが患者さんから話を聞いたり、聴診器などを使って身体を調べたりします。
レントゲン検査(X線検査)
X線を使った検査です。膝の骨や軟骨などを確認できます。
MRI検査
磁気を利用した検査で、筒状の機械の中に入って受けます。レントゲン検査では調べることが難しい靭帯や半月板などの状態を見ることができます。
血液検査
血液成分の状態から、炎症の有無や臓器機能を確認できます。関節リウマチ、線維筋痛症、化膿性関節炎など全身へ影響が及ぶ病気に対して行われます。
関節液検査
関節に溜まった液体を抜き出して、その成分を分析する検査です。化膿性関節炎では関節液の中に細菌が含まれるかどうかを調べます。
治療
原因に応じて治療法が異なります。例えば、膝の変形がある場合には手術が検討されますが、、関節リウマチのように全身の病気が原因の場合には、薬物療法が行われます。
セルフケア
どのような原因であっても、膝への負担を減らすことがセルフケアになります。体重が増えすぎている人は減量が有効ですし、太もも(大腿部)の筋肉を鍛えることも効果があります。太ももの筋肉を鍛える方法はリハビリテーションとして行うこともできるので整形外科医や理学療法士に相談してみてください。